この記事では『悪党のお父様、私と結婚してください♡』の37話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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疑惑
机の上に広がった書類の山を前に陛下は深い溜息を吐きます。
ルボブニとの交渉がひと段落したら今度はアゼキエヌから魔鉱石の手数料を引き上げると通告してきました。
アゼキエヌがルボブニの通行料引き上げを支持したのも、自分たちの交渉を有利に進めるためだったようです。
「ベルゴットを完全になめているようだ」
ライガー平和同盟の守護国という名声はルボブニに奇襲攻撃を掛けたことでひびが入り、もう大分時間が経っています。
いっそのことアゼキエヌまで一気に攻め込んでやろうかと頭の隅で考えながらまた深い溜息を吐きました。
そうして大量の本を運ばせてきた侍従を下がらせた陛下はペンを手に取ります。
『ルボブニの姫のためにもそこまで極端なことをしたくはない」
エレニカのこともありますし、もう一つ気になることがあります。
それは異常なまでに大人しい魔塔の陰の実力者、ソルレアのことです。
結界石をばら撒いた犯人も捕らえ、ベルック宮殿ももう一度点検をしましたが、何かを仕掛けた形跡はありませんでした。
これまで陛下の横を過ぎる女たちを一切許さなかった彼女が、エレニカになにもしないはずがありません。
そして、なぜあの日ベルック宮殿の前に彼女はいたのでしょうか?
これまでのことを考えれば、ソルレアが動かないことは考えられません。
ソルレアの目的は皇后になり、魔塔の自治権を獲得することだと思っていました。
ですが、人を惑わす魔法がないというロシェルの話を信頼できないとしたら魔塔全体を疑わなければならないことになります。
ベルゴットの魔塔が決して許されない暗闇に根を下ろしている。
それはさすがに考え過ぎかと考えを振り払いますが、体調の悪そうなエレニカを思い出すと無視することは出来ません。
呼び出し
「お父様ぁぁ‼」
エレニカのことを考えながら侍従に持ってこさせた本を開くとその中に一輪黄色い花が挟まれていました。
一体これはと首を傾げている陛下の耳に聞こえてきたのはエレニカの叫び声。
何事だと窓から顔を出すとそこには芝生の上でにこにこと嬉しそうに笑っているエレニカがいました。
「姫」
お時間いいですか?と言われて芝生まで降りてきた陛下にエレニカはにこーっと笑います。そして
「陛下!わたしと結婚してください♡」
結論からお話しすると振られました。それも秒で。
陛下のことを愛していますと言えば、私は姫を愛していないと言われ
可愛い女を逃がしていいんですか?と言えば、かまわないと言われ
さらには愛のない結婚は悲しいから愛そうとしている努力をしているというのです。
無残にも振られたエレニカは衝撃の事実に陛下が部屋に戻った後、何考えてんのよと叫びました。
あんまり乱発しないほうが良いと思うんですけど、どうなんでしょうか?
危機
「他国の王族ともあろうお方がいくら何でも大胆過ぎます!」
恋愛対象に私見られてないじゃんと騒ぐエレニカの元に駆けつけてきたメイドは大きな声で彼女を叱ります。
陛下にエレニカが好意を向けていることがエルラド嬢に知られればタダではすまないとメイドは焦りますが、エレニカはそんなこと承知の上です。
なにせ、この世界の誰よりもエルラド嬢の怖さは一番知っているからです。
「なにかあればラウルス様が守ってくれるから」
とりあえずピンチの時は神殿に逃げてくれば、エレニカが恐れる者たちは入ってこられないので逃げてきたらいいんじゃないか?
そういうラウルスの言葉に、結局ちゃんと助けてくれないのならソルレアを避け続けて生きるしかない。
幸いソルレアは皇城への出入りが制限されているので気を付ければ会うことはないだろうと覚悟を決めたエレニカは宮殿に戻ろうとしました。
その時
「なんで」
宮殿の前、そこになぜかソルレアの姿がありました。
一体ソルレアは何をしにきたのでしょうか?
『悪党のお父様、私と結婚してください♡』37話の感想・考察
2回目のプロポーズもあっけなく終わってしまった37話となりました。
ですが、やっぱり陛下はエレニカのことをちゃんと考えてくれているみたいですよね。
叫んだら来てくれますし、エレニカのために外交問題をどうにか穏便に済ませようとしてくれたり、結構愛されてますよね。
ですが、プロポーズはばっさり断られてしまいました。
しかも婚約者を愛そうとしているとまで言われてしまってはもうどうしようもないですよね。
もちろんそんなことで諦めるエレニカではないと思うので、これからのアプローチも期待ですね!
そして気になるのは突然宮殿にやってきたソルレアの姿です。
一体彼女はなんの目的でここまでやってきたのでしょうか?38話からも目が離せません!
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