この記事では『できるメイド様』の45話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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マリの提案
コンコンという軽いノック音と共に執務室に入ったマリは皇太子の前に温かいお茶を差し出しました。
かなり疲れている様子の見える皇太子。
そんな彼の体調に気遣って休むように伝えますが、体調よりも大事な問題に直面していると軽く笑って皇太子はお茶に口をつけます。
「あの、私のようなものが言うべきことではないのかもしれませんが、」
マリのお茶のおかげで心がやすらぐと笑う皇太子にマリはおずおずと口を開きます。
「マリは俺が望んでここに配属した。自分のことをそんなふうに思わなくていい」
そういってくれる皇太子にマリは意を決して教国と取引をするように勧めます。
食糧を支援する代わりにそれなりの対価をもらえば、国民も納得し、教国の要望も満たせる。
「いいアイデアだ。マリの意見か?」
こくり、マリはその質問に頷きました。
いつかここを出ていくまでに出来るだけ皇太子の役に立ちたいという思いだけがマリにはあったからです。
ですが、そんなことはもう皇太子も考えていることでした。
そして、この取引は最初から不可能なのです。
西方の国々は異教徒との金銀の取引を禁じており、それに準ずる価値の高い香辛料や染料、宝石なども取引が禁止されています。
「すみません。浅はかな意見を言ったばかりにお時間を取らせてしまって」
「そんなことない。いい考えが浮かんだときはいつでも教えてくれ」
予知夢
執務室を出たマリは異教徒との取引が禁止されていないものの中でなにか価値のあるものはないかと考えを巡らせますが、何も思いつきません。
それもそのはずです。元々この決まりは教国との取引を禁止するために作られたのですから。
そうしてベッドにもぐったマリはなにか戦争を避ける方法がないか、そんなことを考えながらうとうとと眠りにつきました。
「今日も食べ物が足りない」
マリはまた予知夢が始まったと期待に胸を躍らせます。
なにか役に立つ情報が手に入ればと予知夢を眺めているとどうやらここは西南地方のようです。
皇太子から配給された食料もなくなり、このままの天候が続いたら今年の食べ物さえなくなってしまう。
そんな頭を抱えている農民たちが出てきただけの予知夢から覚めたマリは一体どんな意味があったんだろう?と首を傾げながら仕事にいそしみます。
帝国西南部の農民と教国。
一体どんな関係があるというのでしょうか?
いいアイデア
「はぁ」
そんなマリの溜息にレイチェルはケーキを口に運びながら首を傾げます。
教国とのことが心配だと苦く笑うマリを見ながらレイチェルは問題はそれだけじゃないと心の中で叫びます。
レイチェルの本当の目的、それを叶えるためには皇太子妃になることが必須だというのに今回の件で皇太子妃の選択まで先延ばしにされています。
このままでは目的達成が危ない。
そう考えたレイチェルはマリになにか解決する方法はないのかと問います。ですが、返ってきた答えはNO。
これだけ難しい問題だから当然です。その代わりなにか思いついたら真っ先に自分に伝えるように約束をしてまたケーキに手を伸ばしました。
「それよりこのケーキ美味しいわ。やっぱりはちみつより砂糖のほうが甘いわね」
そのレイチェルの言葉が引っ掛かったマリ。
貴族じゃない限り目にすることはない高級品。このあたりでは栽培をしていないので東方から仕入れています。
ですが、この砂糖もまた教国との取引は禁じられています。
「あ~あ、帝国でも砂糖を栽培すればいいのに」
なんとか出来ないか。そんなマリの耳に聞こえてきたレイチェルの言葉。
そうです。なにも完成品を対価として受け取る必要はありません。
サトウキビの種子をもらえばいい。それで砂糖を作ればいいのです。
この国で砂糖を製造していないのは気候が合わないから。ですが、昨晩予知夢で見た南西部なら生育に必要な条件にぴったりです。
今はベネチア商人が独占取引をしている砂糖をこの帝国から流通させれば?
これなら皇太子殿下も喜んでくれる。急いで会いに行かなくては、
「マリ、いい考えを思いついたの?」
今にも皇太子に会いに行こうとするマリにレイチェルは無邪気に声を掛けました。
「この前観たいに私から話すわ!」
にっこりと笑い自分の成功はマリの成功と言って身を乗り出すレイチェルにマリは思わず息を呑みます。
『できるメイド様』45話の感想・考察
圧し掛かった大きな問題を解決するアイデアが出た45話となりました。
マリの意見を聞いたときの皇太子の笑顔がなんとも優しくて、やっぱりマリのことを信頼しているような感じがして素敵でした!
あんな風に言われたら役に立ちたいと一生懸命考えてしまいますよね!
きっとそんな考えで起死回生の一手を思いついたマリですが、そんな彼女に考えを教えろというレイチェルの姿はちょっと困りものですね。
たしかにレイチェルの侍女ですし、これまでも力を貸してきましたが、それを当然のように要求されるときっとマリも面白くないと思います。
さて、マリは思いついた起死回生の一手をレイチェルに教えてしまうのでしょうか?
それとも自分から皇太子に伝えるのでしょうか?
マリの判断が気になりますね!46話も楽しみです!
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