この記事では『できるメイド様』の44話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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『できるメイド様』44話のネタバレ
レイチェルの提案とマリの先読み
「イーストバーン家のレイチェルが皇太子殿下にご挨拶申し上げます」
そう言って部屋に入ったレイチェルに早速今回の使節団の問題を解決する方法があるのかという質問が飛びます。
アリエルのせいで起きた今回の事態の収拾に忙しい皇太子の力になりたいと思い、いろいろ考えましたとレイチェルは話します。
今回の事態で重要なのは向こうの無理な要求を受け入れることなく和解すること。
どんな用件での訪問かはわかりませんが宗教の違いだけで対話もせずに帰すのは帝国としても望まない結果なのは明らかです。
「それじゃあこの問題をどうやって解決すると言うんだ?」
皇太子の質問にレイチェルは内心驚きながらもそれに答えます。
「簡単です。屠殺を避ければいいのです」
いっさいの肉料理を出さなければハラールに反するリスクもありません。
ですが、肉料理を出さなければテーブルの上を彩るのは野菜だけそれはあまりにも寂しすぎ、接待とは言えません。
そんな皇太子の言葉にレイチェルは自分もそう思うと頭を縦に振るとまた話し始めます。
「イスラム教では野菜、果物、穀物以外に骨のある魚料理も許されています」
なにもイスラム教で食べられないのはすべての生き物というわけではありません。
スープやオードブル、アントレなどは野菜で作ることができ、メインディッシュはイスラム教の教義に反することのない魚で作る。
そうすれば彼らの要求を十分満たした食事が出せることでしょう。
「野菜と魚だけじゃメニューの構成が地味にならないか?」
またもやレイチェルが思った疑問です。
もちろんそれにもちゃんと答えはあります。
「それは彼らが受け入れるべき部分です」
帝国が彼らに対してそこまでの配慮をする必要はありません。
最近大きな衝突があったわけでもなく、相手が敵国ということだけです。基本的なマナーさえまもれば十分な話です。
親しい国や直近で争いのあった国ならいざしらず。教国に対してのおもてなしはその程度で十分です。
「素晴らしい!異教徒についてもそんなに詳しいなんて知らなかった!」
皇太子の部下はそうレイチェルを褒めたたえます。
たまたま本を読んで知っていただけですと謙遜しますが、そのすべてはもちろんマリの意見。
少しマリの意見を自分のものにするのは心苦しいですが、自分が上手くいけばマリにとっても良い話だとほくそ笑んだレイチェルは2人を混乱させたと気遣いを見せます。
ですが、もちろんこの案に皇太子からOKが出ます。
「意見を受け入れてくださり、ありがとうございます」
やっと認められた。
これまでアリエルに先を行かれ続けたレイチェルは頭を下げながら確かな手ごたえを感じます。
今後の接待をすべてレイチェルに任せると指示をした皇太子はさて部屋を出て行こうとするレイチェルを呼び止めました。
「イスラム教を知った本の題名は?」
一瞬レイチェルは戸惑いますが、すぐにマリとした話を思い出し、口を開きます。
「ドレ―イン男爵の「異教徒生活記」という本です」
念のため、マリに聞いていた本の題名を応えるとレイチェルはようやく部屋を出ることが出来ました。
それに合わせて肉料理を出すとなれば相応の人手が必要となるでしょうが、
いっそ肉料理すべてを出さなければいいと教国との関係を考えた上での提案。
そして思いついたマリもすごいですが、それを自信満々に話せるレイチェルもさすがとしか言いようがありませんね。
陰に見えるマリの姿
「ドレ―イン男爵が誰なのか知っているか?」
レイチェルが皇太子妃になれば帝国の未来も明るいですねとレイチェルを褒めたたえる部下、オルンに皇太子は聞きました。
もちろん知らないはずがありません。
十年前に地中海で異教徒海賊に誘拐されたクローヤン王国の貴族です。
ですが、捕虜生活について記した本があるとは知らなかったオルン。そんなオルンにそうだよなと頷いた皇太子は部屋を出るように言い、扉がしまるとどさりと背もたれに体を預けました。
実は皇太子はオルンも知らなかった本の存在を知っていたのです。
占領した後にクローヤン王城の図書館で見つけたソレ。
帝国でドレ―イン男爵の本が販売されたことはありません。クローヤン王国の中でだけ出版されていた本。
まさかレイチェルがこの本を知っているほどの読書家、ということはないでしょう。
「マリ」
本棚の中から大切そうに本を取り出し胸に抱えるマリの姿は先ほどからずっと皇太子の頭をよぎっていました。
提案をするレイチェルの姿は時間を追うごとにどんどんマリと重なり、まるでマリと話しているかのような錯覚さえ感じていた皇太子は首を傾げます。
「日に日にマリだけが俺の目に映るのはどうしてだろうか、」
「君だけが、」
彼女の姿を重ねてしまうほど皇太子の心はマリに惹かれ始めています。
特に最後の皇太子の姿は一見の価値があるほど、素敵で、ときめいてしまいました!
レイチェルが用意した晩餐会は豪華でも派手でもありませんでしたが、イスラム教に反するものは一切ありませんでした。
文句も言えずに食事をする使節団を見て、誰もがレイチェルを称賛し、評価が上がります。反対にアリエルの評価は下がります。
周囲の反応は非常に良いのですが、肝心の皇太子の反応はレイチェルに対してまったくありません。
そんな皇太子にレイチェルとどうやって仲を取り持てばいいのか、マリが悩んでいる頃宮殿で重大な出来事が起きました。
来訪の目的と頭痛
東方教国の使節団がついに皇太子と直接会うことになり、ようやくその来訪の目的を告げることになりました。
「東帝国から東方教国に食料を支援してほしいだと?」
思ってもいない要求に皇太子は思わず聞き返してしまいました。
「我が国は数年間極度の干ばつに見舞われ、蓄えていた食料も底をつきました。教国の農民はどんどん餓死している状況です」
ざわつく謁見の間の中央でカサンは言葉を続けます。
「スルタンは隣の国である東帝国からの支援を望んでいます」
その言葉に一斉に家臣たちは声を荒げます。
これ以上話しを聞かずに追い出せと言う者、食料を支援する必要なんてないと言う者、騒がしい家臣たちを皇太子は静止させます。
食料の支援とは無礼な依頼です。それをわからない教国ではないはず。
たしかに干ばつに見舞われたことは残念ですが、帝国が手を貸す必要は感じられない。
つまり皇太子の答えはNOです。ですが、カサンも簡単には引き下がりません。
「教国はご恩を決して忘れません。東帝国が困難に陥った際には家族であるように必ず助けると約束します」
教国を表すような虎と太陽の象徴が金色で刺繍された手袋をしたカサンは広い心で受け入れてくれと言いながらまだ言葉を続けます。
もしも帝国が手を差し出さなければ、教国にも最終手段の準備がある。そんな言葉に皇太子の目が光ります。
「戦争をしようというのか?」
もちろんそれは望んでいませんが、最悪の場合ですとカサンは応えますが、脅しだということは明らかです。
東帝国では数年豊作が続き倉庫に食料が有り余っていることをしっているカサンは情の深い姿を見せてもらえれば戦争を避けられると言います。
つまり食料の支援か、戦争か、どちらか選べと言うのです。
「両国のための殿下の懸命な選択をお待ちしております」
もしも食料支援をすれば力をつけた教国に攻められない確証はありませんし、
かといって断れば戦争は必至。
一体皇太子や彼の周りの貴族たちはどんな判断を下すのでしょうか?
これは先の展開が気になりますね!
そして、のんきな貴族たちには若干怒りが抑えきれませんが、一体マリはどんなアイディアを思いつくのでしょうか?
『できるメイド様』44話の感想・考察
また話しが動き出した44話となりました。
レイチェルがマリのアイディアを正確に伝えたことでなんとか教国の要求を聞き出すことが出来ましたが、まさかと思うような内容でした。
一体どちらの選択肢を選ぶのか、それともまた別の選択肢を思いつくのか、気になるところですが、
もっと気になるのはマリと皇太子の今後ですよね!
話しているレイチェルの姿にマリを重ねてしまうほど、マリのことを考えている皇太子。
イスラム教のことを知るきっかけとなった本はクローヤン王国でしか出版されていないものでしたから、
この後執務室で皇太子からなぜクローヤン王国の本を読んだことがあるのかと聞かれてしまうかもしれません。
もしかしたらそのままマリの正体が皇太子に気付かれてしまうのでしょうか?
45話からも目が離せませんね!
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