この記事では『悪党の母になりました』の34話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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『悪党の母になりました』34話のネタバレ
向けられる好奇の目
「一体何があったんだ」
先ほどの騒ぎを聞きつけた公爵はアインに声を掛けますが、大したことではない、自分で対処できると断られてしまいます。
一変した会場の空気。どの貴族たちも息を呑んで公爵夫婦のほうに視線を向けます。
いつもなら息子のことなんて意にも介さない公爵夫婦。にも拘わらずその視線の先ではロゼリアを真ん中にして座った公爵一家が楽しそうに団らんをしています。
楽しそうに食事を楽しむアインとそんなアインを心配そうに見るロゼリア、そしてその隣からそっとステーキの乗った皿を差し出す公爵。
和気あいあいとしたチェイド家の様子を目撃した貴族たちはぐっと息を呑みます。
「公爵家の逆鱗に触れてしまった」
「終わった」
そんな貴族たちを気にせず、団らんを楽しんだチェイド家は帰路に着きました。
家族団らんって見ているだけで幸せになりますよね。
まぁ、この一家は元が元ですから怯える貴族たちの気持ちもわかるような気もしますが、
なにはともあれ仲のよさそうな3人の姿が見られてよかったですね!
家族で過ごす夜
その日の夜、家に帰るともう休むと言うアインにロゼリアは不安そうな目を向けます。
「アイン、本当に大丈夫なんですよね?」
あんなことがあった後です。心配になるのは当然のこと。
ですが、アインは大丈夫です。もう心配しないでくださいといつものように愛らしい笑顔を向けますが、ロゼリアの不安は消えません。
ぎゅっと小さな手をロゼリアは握ります。
「今日は眠るまで一緒にいてあげます」
まるで花が咲くような母親の笑顔にアインは思わずぽかんとしてしまいます。
「母上が、ですか?」
「ええ!眠くなるまでお茶でも飲んでお話しましょう」
上手ではないが、子守歌まで歌ってくると言う母の言葉にアインの胸はじーんと暖かくなり、さきほどよりも明るい笑顔でお願いします!と言って母とともに部屋に入ろうとします。
今日だけでも傍にいてあげたかったからよかったと胸を撫で下ろすロゼリア。
部屋に入ろうとアインと笑い合っていると後ろからあの声が聞こえました。
「なら、私も付き合おう」
ドンっと音がせんばかりに腕を組んだ公爵。思わず動きの止まってしまったロゼリアですが、わざわざ来なくてもいいのにと心の中で呟きながら戸惑いの声を掛けます。
ですが、そんなことはおかまいなし、自分がいた方が役に立つだろうと自慢げに笑う公爵の姿にロゼリアの胸が小さく跳ねました。
からかっているようですが、どこか優しい感じのする公爵の言葉。わざと一緒にいてくれようとしてくれているようです。
今日はかなり疲れているはずなのにそんな父親らしい姿を見せられたせいでしょうか、跳ねる胸を抑えてロゼリアは一応もう一度断ってみました。
「お気持ちだけで十分ですよ」
「アインが心配だからな」
素直に引き下がらない公爵。結局3人で部屋に入りました。
なんだか公爵もお父さんらしくなってきましたね。
まだまだお父さんとしてはぎこちない感じがしますが、これは大きな一歩ですよ!
あとはロゼリアとどんな夫婦になっていくのか、まだまだ気になるところですね。
愛らしい息子の姿
念のため医者にアインの怪我を見てもらい、アインをベッドに寝かせてほっと一息つきました。
「今日は早めに休んでください」
「母上も早くお休みになってください」
お互いを気遣う親子の会話。眠るまでそばにいるという母の暖かい言葉にアインは今日会ったことを思い出します。
「今日は鬼ごっこで僕が鬼をやりました」
「でも、楽しくなくて、やっぱり母上と一緒の鬼ごっこが一番です」
子供らしい可愛い笑顔を見せたアイン。母と一緒に遊んでいるときは退屈しないという息子にまた一緒に鬼ごっこをしようと約束するとアインは穏やかな顔で眠りにつきました。
こんなに愛らしい子がどうしてつらい思いをしなければいけないのか。
ロゼリアの目に涙が浮かびます。
アインには良い物だけを見せ、愛情を注いであげたい。ですが、彼を苦しませる原因はいたるところに存在しています。
まるでアインを悪党に成長させるためのレールが敷かれているかのようなそれからどうやればアインを守ることが出来るのでしょうか?
アインもまた息子らしくなってきましたね。
まだまだ公爵とは親子というよりは師匠と弟子といった感じが抜けませんが、
母に心を許して鬼ごっこをしたいと言うあたりは年相応なのではないでしょうか?
いつか公爵ともそういう会話が出来るようになればいいですね。
一難去ってまた一難
眠りについたアインを残し、公爵とロゼリアは部屋を出ます。
平然としていたアインのことがやっぱり気になるロゼリア。不安を隠しているのかもしれません。
「心配するな」
そんな妻に公爵は声を掛けます。
「お前がそんな顔をすると余計不安がるはずだ」
まるで慰めるかのような公爵の言葉にロゼリアは少し不思議そうな顔をします。
それにアインはチェイド家の男です。黙ってやられるような男ではありません。
もしもそれでも不安ならあの貴族たちに自分からもなにか言ってやってやってもいい。
「いつもみたいに笑っていた方がアインも安心するだろう」
不器用な慰めの言葉にロゼリアの胸はまた暖かくなります。
「明日からはいつも通りの私に戻ります」
本当に花が咲いたような笑顔をようやく見せてくれたロゼリアに公爵は部屋に戻ろうと勧めます。
もう夜も遅い時間。そろそろ休まなくてはいけません。
部屋へ続く廊下を歩きながら先ほどのことを思い出すロゼリア。
相変わらず冷たい口ぶりでしたが、ロゼリアを慰めてくれた。不器用だけれども彼の言葉がこんなにも暖かくて心強く感じられることを初めて感じたロゼリアは嬉しさを感じますが、その道のりに気付きそんなことをすっかり忘れてしまいます。
「あ、あの今どちらへ?」
公爵の部屋とは反対側。つまりロゼリアの部屋があるほうに歩いて来ているのです。
本当ならもう少し手前で別れるはずの隣にいる夫の顔を見上げますが、にやりと笑った公爵は何も言わないままロゼリアの部屋のドアを開け中に入って行ってしまいました。
こちらもまたまた夫婦らしくなってまいりました!アイン!
もしかしたら妹か弟か、それとも両方が出来るかもしれないよ!
でも、きっと下の兄妹が生まれたらアインはすっごくやきもちを焼きそうですよね。
そんなアインも可愛いのでちょっと見てみたいのは内緒にしておきます。
『悪党の母になりました』34話の感想・考察
チェイド家の心温まる家族愛を感じる34話となりました。
まだまだロゼリアに裏の黒い顔を隠している公爵とアインですが、これまでロゼリアにしか向けていなかった目線をお互いに向けるようになっただけでこれは大きな進歩なんではないでしょうか?
いつかこの3人が本当の家族になる日もそう遠くはなさそうですね。
今回の一番の注目ポイントはロゼリアを慰める公爵の姿です。
不器用ながらも慰める公爵とそんな公爵に大輪の花のような笑顔を向けるロゼリア。思わずどきっとしてしまうほど綺麗なその笑顔に公爵の心も奪われてしまったのでしょうか?
さて、気になるのは公爵がなぜロゼリアの部屋に入って行ったのか、です。
本当にロゼリアに心を奪われたのか、それともまだなにか話さなければいけないことがあるのか。
どちらにせよ35話からも目が離せませんね!次の更新が待ちきれません!
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