この記事では『大魔法師の娘』の50話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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皇帝陛下
「建国祭を始めよう」
そんな皇冠を被った男は今日は意義深い日だと言って開幕を告げますが、初めて皇帝を見たメイベルはちらりと繋いだままのラキエルの手を見ます。
「悪い人よ」
思わずそう呟いてしまったメイベルですが、ラキエルは気にするなと言って険しい顔をしているメイベルの眉間を叩きました。
開幕の挨拶からずっと会場の雰囲気を支配していた皇帝ですが、ラキエルの話を聞いているうちにそのすさまじい存在感が消えていくように感じたメイベル。
すると周囲のひそひそ話が聞こえてきます。
まるでラキエルをバカにするかのような言葉やメイベルを傷つけるような言葉。
それに顔を顰めていると皇帝は超越者の話を持ち出しました。
超越者
「思い返せば超越者が俺に誓約をしたのも今日だったな」
ラキエルのような魔法使いや超越者にとって誓約とは非常に重い意味を持ちます。
「そう思わないか?ラキエル・シクラメン」
まるで挑発するようにラキエルを指名した皇帝ですが、ラキエルは久しぶりに会えてうれしいだろうという言葉に真っ向からそんなことはありませんと答えます。
皇帝にも怯える様子のないラキエルが面白くないのか、皇帝はさらに国の行事に積極的に参加するように言います。
あまつさえ、来年の建国祭りには事前に来て「黄金の雨」を降らせろと言うのです。
「次回は廊下までシャンデリアで埋め尽くしてはいかがですか?」
あの日の事を忘れられないだろうという皇帝からの要請もラキエルは冷静に断ります。
居丈高な皇帝はそれでもめげずにラキエルに話しかけます。
「帝国最高の大魔法師に勝るものはない。そう思わないか?北の超越者」
皇帝に抵抗するラキエルを批判する貴族たちのざわつきの中、ラキエルは皇帝の言葉に不機嫌を露わにします。
「その呼び方は気に入りませんね」
その途端、メイベルの耳にどこからか鎖の音が聞こえてきます。そして、おぞましい魔力までも感じはじめました。
その気配に震えながらラキエルに助けを求めたメイベル。
「お父さん」
ついに皇帝の目がメイベルに向きました。
皇帝の興味
「お前についてくるとは、実に興味深い」
すたすたと歩み寄ってくる皇帝をラキエルは鋭く睨みつけますが、皇帝は止まることはありません。
ついにメイベルの目の前までやってきた皇帝はメイベルに挨拶を求めます。
その言葉にメイベルはここに来る前に教えられたことを思い出します。
「挨拶をするときには、他でもない「大魔法師の娘」なのだということを忘れないでください」
そう言われたことを思い出したメイベルはすっと胸に手を当てると隣で挨拶をするラキエルに続いて頭を下げました。
「大魔法師の娘、メイベル・シクラメン。帝国の太陽にお会いでき、光栄です」
その挨拶に貴族たちのざわめきは一気に大きくなります。
家門を名乗らなかったこと、そして大魔法師の娘と名乗ったこと。
どうやらその挨拶が面白くなかったのは皇帝も同じようです。
「別にどこでどんな風に挨拶しようが、気持ちは変わらないのですからおなじことでしょう」
どういうことだ?という問いに事も無げに答えたラキエルが面白くなかったのか、ラキエルは傍にいる人間に誓約の儀式を前倒しにするように命じます。
「帝国の太陽であられる、皇帝陛下!」
「帝国の魔力に栄光と無限の祝福を!」
そんな掛け声とともに黒いローブに身を包んだ魔法使いたちがぞろぞろと入ってきて、何やら大きな金色の魔法陣を作り出しました。
『大魔法師の娘』50話の感想・考察
皇帝とラキエルの間の深い溝があらわになった50話となりました。
そもそも自分のことを魔法で無理矢理縛り付ける人に好意を抱けっていう方が難しいですよね?
ラキエルの対応ももっともだと思います。
ですが、それが面白くなかったらしい皇帝は誓約の儀式を前倒しにしてしまいました。
おそらくラキエルに掛かった誓約を強化するためのものだとは思いますが、その誓約がメイベルに向かないことを祈るばかりです。
それにしても誓約の儀式とは一体どのようなものなのでしょうか?
51話で明らかになると思いますが、待ちきれませんね!
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