この記事では『実は彼らは彼女だけを覚えていました』の32話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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『実は彼らは彼女だけを覚えていました』32話のネタバレ
リトラニア帝国の建国神話
リトラニア帝国に伝わる建国神話。
エイドリアン伝記の礎であるこの神話は、おおまかにはこのような内容でした。
大昔、世界が混沌としていた時代、大陸にはある黒いドラゴンが住んでいました。
そのドラゴンは、山よりも大きく、またその力は地震よりも強い、と言われていました。
そのドラゴンを倒そうと、リトランという辺境の小国から、一人の王女が遠征隊を率いてドラゴンの討伐に向かいました。
さらに彼女は、親友である魔術師キャディーナルと、司祭のデイル、守護騎士であるオーウェンを連れて行ったのでした。
戦いは互い間続き、遂に王女の剣が黒いドラゴンの心臓を貫きました。
そしてドラゴンの死体が横たわったその場所は、大陸の約半分をも横断する大山脈となったのでした。
デイルは世襲司祭!?
デイルは、クラレンスがアビスにいると知り、案外近くにいたことに驚きます。
彼は疲れた様子でため息をつき、ベッドに横たわりました。
ケニスは、先程まで今にも出て行きそうだったのにどうしたのか、と尋ねます。
それに対しデニスは、頭を冷やしたい、と言って、自身の「デイル」という名について語り始めました。
彼は世襲の司祭で、先祖は建国神話に登場する司祭デイルでした。
神話において、ドラゴン討伐後、王女の三人の友人にはそれぞれ特別な力が与えられました。
魔術師キャディーナルには、他の人間には知ることが出来なかった世の中の心理が与えられ、
騎士のオーウェンは、神にすら匹敵するほどの強さを持った聖剣となり、
司祭のデイルには、世界を救う力のある神聖力が与えたとのこと。
その中で、他の2人の力は一代限りだったにも関わらず、デイルの神聖力だけは代々子に受け継がれることが分かったのだとか。
それゆえデイルの名は世襲され、今ここにいる彼もデイルの名を授かったのです。
彼の話を聞いたケニスは、デイルが結婚を急かされたのだと気が付くのでした。
クラレンスへの想いを確かめたいデイル
彼の予想通り、既に7人もの花嫁候補を推薦されていたデイルは、彼女たちに会う前に、
自分のクラレンスへの気持ちが友情なのか、それとも恋なのか確かめたくなったことを打ち明けます。
これから結婚する彼にとっては、最初で最後の恋になるかもしれなかったからこそ、しっかりと自分の気持ちを確認したかったのです。
そんなデイルの言葉を聞いたケニスは仕方なく、彼がクラレンスの居場所を教えたのはデイルにだけであったことを明かすのでした。
ケニスに背中を押され喜ぶデイルですが、ケニスは照れ隠しなのか、デイルを足蹴りしてベッドから追い出そうとします。
そんな中、ケニスの部屋に若い魔術師が彼を起こしに入ってきました。
彼女は半裸のケニスとデイルがベッドの上で腕を掴みあっているのを見て、2人の関係を勘違いしてしまいます。
邪魔をして申し訳ない、と大慌てで謝罪する魔術師。
その後ろから、デイルの上官にあたるアリアドネ首席とその一行が部屋に入ってきました。
これまでデイルとケニスは、何かをしでかすたびに互いの所に駆け込んでいたため、今回もすぐに場所が割れてしまったのでした。
アリアドネ首席に連れ帰されそうになったデイルは、ケニスにベッドの横の棚の引き出しの中に、非常用のお金を入れているか尋ねます。
彼の唐突な質問にケニスが戸惑うのもつかの間、デイルは引き出しごと抱えて窓から飛び降りてしまいました。
神聖力のお陰で華麗に着地したデイル。
アリアドネ首席は急いで彼を追わせますが、ケニスは彼の25年の人生の中で始めて見せた反抗だから許してやって欲しい、と言います。
しかし首席は、デイルは参戦決定の時も反抗したので、合計すると2回目だ、と答えたのでした。
『実は彼らは彼女だけを覚えていました』32話の感想・考察
司祭一族は世襲のため、神殿から結婚を迫られていることを明かすデイル。
彼は結婚が嫌なわけではなく、クラレンスへの想いが明確ではないために踏みとどまっていたのでした。
それを聞いたケニスは、自身もクラレンスに想いを寄せているにも関わらず、デイルの背中を押してやります。
小競り合いばかりしている2人ですが、実際は互いを信頼し合う友人なのですね。
果たして、クラレンスの元にデイルまでやって来て、静かな生活がまた一変してしまわないか心配です。
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