この記事では『テムパル~アイテムの力~』の56話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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挑発
「俺たちはジャイアントギルドの者です」
マスターの命令だからとなんとか押し殺しながらも下手に出て男はグリードに声を掛けます。
ギルドに加入しないかと勧誘しにきたという男は武器を置いてほしいとグリードに頼みながら鍛冶場を見て、鼻で笑いました。
「製作って本当に大変らしいですね?」
机の上に転がった鉄のインゴットを軽く叩いて、まるでバカにするように話す男はにっこりと笑います。
そして、武器なんて作り直せばいいから怒らないでほしい。さらには
「俺たちの素晴らしい提案を聞けば、きっと怒りも収まりますよ」
とまで言うのです。
「作り直せばいいだって?」
沸々と溜まる怒りを抱えたグリードは剣を手に、男の前に立ちます。
床に倒れこんだままのイベリンは目の前にいる相手が12人もいることに気付いて、とっさにグリードを止めるためにメッセージを送ります。
ですが、グリードはそんなことを一切聞かずに男のほうへと向かって行きます。
「ところで、あいつ本当に鍛冶職人なのか?」
向かってくるグリードにジャイアントギルドのメンバーの一人が首を傾げました。
確かに鍛冶職人にしては大剣を持っているグリードの様子は少しおかしく見えます。
「わかりました、とにかく作業を続けたがっていらっしゃるみたいのなので、お待ちしてますよ」
3~4時間もかからないだろうとバカにしたような男の物言いにグリードの堪忍袋の緒が切れる音がしました。
そして、すぐに仲間が逃げろと言いますがその前にグリードの剣が男を襲います。
”パーティーメンバー[キッド]が死亡しました”
呆気なく一太刀で死んでしまった仲間にみんな目を見開きます。
キッドという男はアサシンなので生命力が低いのですが、それを差し引いても鍛冶職人の攻撃力としてはおかしいものがあります。
『ダーインスレイヴ、マジでとんでもない武器だな』
驚いていたのはグリードも同じでした。
模造品とは言え、振り回しただけで想像以上の攻撃力が出た剣は多数の敵を相手にすることで攻撃力が増すタイプのものです。
目の前を取り囲むジャイアントギルドのメンバーのおかげで攻撃力はかなりプラスされています。
『100人を相手にすれば追加攻撃力が1500!』
人類最初の鍛冶職人「匠」アルバティーノの作品は同じユニークでもグリードの作品とは次元が違いました。
「伝説」であるグリードを圧倒的に上回る実力を持つアルバティーノを超えるのが、ファグマの末裔を自覚する前に必要になりそうです。
追撃
「<鍛冶職人の憤怒>」
まずは武器の敵討ちからだとグリードは剣を振るいます。
とっさに自分の大剣で攻撃を防いだ男の口からは血が漏れて、そのダメージの激しさを物語ります。
『ツェダカの罠だ!』
ただの鍛冶職人じゃないと判断した男はグリードの攻撃を防ぎながらもなんとか仲間たちに全員退却!と命じました。
蜘蛛の子のように散らばっていくジャイアントギルドのメンバーですが、それを許すグリードではありません。
「金儲けの邪魔しといてとんずらか?」
逃げていく男たちを追いかけるグリードの剣に1人男が斬られました。
切られた男、マグセブンはオーガの一撃も凌ぐほどの生粋のタンカーらしくメンバーたちは驚きを隠せません。
イベリンさえ倒せばいい。
その考えは甘かったようです。
「逃げろ!なんといても生き残るんだ!」
とにかく真っ直ぐに走っていくジャイアントギルドのメンバーでしたが、目の前が真っ青に輝きました。
「勝手に逃げてんじゃねーぞ」
一瞬でジャイアントギルドのメンバーたちの前に現れたグリードは大剣を握り締めるとファグマの剣舞を浴びせます。
知らなかった実力
その頃、ようやくアゼラスを倒せたジェシカ達が鍛冶場に向かおうとしていた時、ジェシカの通信が鳴りました。
「イベリン!」
石化もようやく解け、無駄な時間を使ってしまったと焦るメンバーたちですが、イベリンからの通信に皆が集中します。
イベリンが襲撃を受けたこと、相手は15人で、自分はまだ回復中であることを報告するとジェシカ達はほっと安堵の息を吐きました。
『それよりマスター、グリードさんって』
こんなに強かったんですか⁉と通信をしながらイベリンは目の前の光景を信じられないと言わんばかりに目を見開きました。
10人以上いる100レベル超えのジャイアントギルドのメンバーを次々に薙ぎ倒していくグリード。
なんとか攻撃を凌いでいるジャイアントギルドの面々はなぜこんなに強いんだと信じられていません。
広範囲技にも関わらず、強力な個別ダメージを与えてくるグリードの攻撃。
『グリードさんのこの強さは一体』
イベリンを始め、ツェダカのメンバーはまだ明らかになっていない3人目のエピック転職者だとグリードのことを見ています。
もし、本当にそうだというのならグリードの職業はユニーク等級以上のものでないと今の状況の説明が付きません。
「俺たちの力で勝てそうか?」
攻撃を受ける合間になんとか回復薬を飲みながら必死で戦うジャイアントギルドのメンバー。
「情報をなにか手に入れるんだ!」
もうグリードには勝てないと諦めながらもこのまま手ぶらでは帰れないとジャイアントギルドのメンバーたちは状態異常の魔法を繰り出しました。
ですが、そんな魔法、グリードには効きません。
「いさぎよく諦めな」
もう手加減はしないと言わんばかりに剣を振るうグリード。
遠巻きにその状況を見ている他のメンバーたちはとんでもない戦いを見ちゃったと額に汗を流します。
「これは対決じゃなく、ほとんど虐殺じゃないか」
10数人対1人という不利な状況にも関わらず、グリードはたった一人で敵を圧倒しています。
鍛冶職人の予想外の反撃に、ジャイアントギルドの攻撃は何の成果も得られぬまま、幕を閉じました。
翌日にはジャイアントギルドの方針が対外活動禁止とレベルアップに専念することに決まり、事件はひと段落しました。
そして、ツェダカギルドもまた戦力の補強のために最上位ランカーたちを追加で迎え入れます。
『あの日の狂気に惹かれて来た者ばかりだろう』
小さなきっかけ一つで鍛冶職人の狂気に火が付いたあの事件は翌日にはマスコミを通じて世界中のすべてが知るところとなりました。
『テムパル~アイテムの力~』56話の感想・考察
グリードの強さが世界中に知られる56話となりました。
最初は100レベル超えの15人ものジャイアントギルドのメンバーにどうなるのかと不安になりましたが、やっぱりグリードはやってくれましたね!
それにしてもサイコパスと言われるほどに暴れまわったグリード。
この後の世間の反応が気になりますよね。
そして、ツェダカギルドに参加した最上位ランカーたちもどんな動きをするのかも目が離せません。
57話も楽しみですね!
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