この記事では『潰れる家門を生かしてみます』の29話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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縁
「メドック家は長年にわたってエリオス家にはちみつを納品している家門です」
例のテラに喧嘩を売った子分の身分がわかったという報告が面接をしている皇太子の元に入ります。
小商団の小団主にメドック男爵という人物がおり、同じくテラに文句をつけた男たちもまたエリオス家から仕事をもらっていることが明らかになりました。
そしてそのはちみつの納品を管理している責任者というのが
「ジェイソン・エリオスです」
事業を行っているにも関わらず、貴族の子息たちが大勢集まる場で騒ぎを起こすとはエリオス家も落ちぶれたものです。
呆れる皇太子に子分たちへの沙汰はどうしますか?と問うと皇太子は不思議そうな顔をしました。
帝国法に触れないとはいえ、試験を遅延させ、貴族令嬢の名誉を貶めたのです。行政処分は十分可能な範囲なのですが
「なぜだ?」
皇太子はテラが自ら彼らを処分してくれと言っても聞いてやるかは半々といった様子です。
しかも大した理由もないのに皇太子自らそのような指示を出すことは出来ません。
「テラ令嬢とは縁もありま、」
”縁”
その言葉が皇太子の耳に止まりました。
いつもならくだらないと怒るのに、なぜか面白いと笑う皇太子はテラにそんな助けなど必要がないと言います。
テラは自ら”タルティンの謝罪”をつかみ取ったのです。これ以上を望むのなら自分でやる。
「ニック、罰として1ヶ月演武場の掃除だ」
本来であればお前の仕事だ。それをサボったんだからなと皇太子はにk
父の無念
その頃、エリオス家の父の元に侍従から一連の騒動の報告が入りました。
自身の下で仕事をもらいながら立てつく家門がいるとは身の程知らずだ!と憤慨する父に侍従が管理者の名前を報告します。
「それが、ジェイソン様でございます」
その言葉に持っていたワイングラスを床に叩きつけ、父は頭を抱えました。
それは3時間前のこと。
皇后陛下の前に集まった貴族たちとの会食の席、父はわざとグラスを落としたり、居眠りをしてみたり
まぁ、つまりバカのふりをしていたのです。
「今日実際にお会いしてみて、私の想像とは少し違っていたようですわ」
ぽけーっとした顔で、皇后の前にいるというのに猫背の父に向って皇后は呆れたように溜息を吐きました。
「エリオス家の名声が末永く続くことを祈っております」
嫌味混じりだとすぐに気づきましたが、テラからはもう2度と呼ばれないようにトドメのひと押しを!と言われていたのを思い出します。
ええい、ままよ!
父はもうこうするしかないと覚悟を決めて、口を開きました。
「へへへ、皇后陛下がそう仰るのであれば、頑張らねばなりませんね」
皇后の意識を逸らすためにわざとバカのフリマでしたのに
それをひっくり返すような息子の行動に頭を抱えながら、父は家門のためだと思い、考えるのを止めました。
最終面接
ついに最終面接が始まりました。
先ほどの皇太子の言葉は間違いなく警告だったと焦るテラを前に第一皇太子のフランツが最終面接の開始を告げます。
それから30分後、バートンがめきめきとその頭角を露わにしていました。
「ルールのみで国を治めようとすればしたから亀裂が生じてしまうことでしょう」
「亀裂とは?」
フランツから投げかけられる質問にも次々答え、その上、話の主導権を完全に握っています。
質問に答える側にも関わらず、政治、経済、国際情勢までなにを聞かれてもそつなく答えるバートン。
間違いなく、彼が1位だろうとテラも確信しますが、フランツの両隣に控える皇太子たちがなにも聞かないことに気が付きました。
一体なにを考えているのか?
「では、この質問に答える受験生は手を上げてください」
バートンの回答を聞いているうちにどんどんと試験は進み、すでにこれで質問に答えていない受験生はテラを含めて10人しかいません。
他の兄弟たちもすでに他の質問で回答しています。
エリオス家で残るのはテラとローガンだけ。
その時、ローガンが手を挙げ、口を開きました。
「規格化された道の拡充が必要です。すでに1年前に宮議会に上げられていますが、なぜか未だに通過せずにいます」
ローガンは淡々と国境地帯に近付くほど道が整備されないために物資が予定通りに届かず、軍士たちは常に劣悪な状況に晒されていると話します。
そんなローガンに皇太子が初めて質問をしました。
「どうやって宮議会で保留している案件を把握した?」
回答は簡単です。
ローガンは軍事学校を卒業し、軍隊について前もって知っておく必要があると思い、議会日誌を閲覧していたのです。
そんなローガンに皇太子は来月の議会に取り上げられたらどんな内容を追加すればよいか、問います。
「議会は至急この件を論議し、処理する義務があります」
よどみのない答えに皇太子はそうかと呟くと年間の軍事費の話をし始めました。
今年の軍事費は4500万ゴールド。日本円にすれば数兆にも上る金額です。
つまり論議するのは簡単でも、その整備のために莫大な予算を割く余裕はないのです。
ただでさえ、昨年から500万ゴールドもへらされているのですから
「このような予算問題にも関わらず案件を通過させるべき理由をあげるとすれば、それはなんだ?」
あまりにも難しすぎる質問。
軍部と治安部の両方を相手にしなければいけない問題にお前もわからないのでは?とフランツは皇太子を煽ります。
「本気でそう思われているのですか?」
得意気に笑う皇太子。
その視線の先には顔を真っ青にしているテラがいました。
『潰れる家門を生かしてみます』29話の感想・考察
ついに最終面接が始まった30話となりました!
父が陰ながら家門を守るためにバカのふりまでしたというのに、それを知らぬジェイソンと言ったら、どうしようもないですね。
試験後のお叱りが気になるところですが、それよりもまずは最終面接ですよね!
第一皇太子のフランツと第二皇太子のカイルの間でもなにやら火花が散っていますが、一体テラはこの難しい問題にどうこたえると言うのでしょうか?
莫大な予算がかかるとわかっている軍事用道路の整備事業。
しかも去年から今年で500万ゴールドもすでに減らされているのです。
逼迫した予算事情の中、どうやって整備事業のための予算を確保しようというのでしょうか?
答えられればテラの大幅なリードが決定となりますし、答えられなければ兄弟たちから大きく遅れてしまいます。
それともここでバートンが助けに入るのでしょうか?
30話からも目が離せませんね!
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