この記事では『潰れる家門を生かしてみます』の32話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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『潰れる家門を生かしてみます』32話のネタバレ
前菜終了
オシリア帝国のどこを探しても貴族の男性を跪かせるような令嬢はいないと褒めてくるベスを連れて、テラは階段を上がります。
もう眠いので休みましょうというベスにテラはまだメインディッシュが残っていると鋭く前を見つめました。
そう、タルティンの謝罪をさせたメドックが前菜だとすれば、ジェイソンがメインディッシュです。
思いっきり踏みつけてやるんだからと意気込むテラは皇子のおかげでジェイソン問題を先送りしなくてよくなったと笑いました。
「そっか、もうすぐ地方に行かれるんですよね・・・」
そうベスに言われてテラの怒りの炎は燃えます。
行政官の配置を遊びだと思っているとしか思えないカイルの采配に殺意さえわいてくるのを必死で抑え込みます。
「バーナードを呼んでくれる?」
仮にも皇太子のカイルを罵倒したことの口止めをしっかりとベスにすると一旦部屋に戻るためにテラは階段を上がりました。
10分もするとテラに言われた通りザクロ茶を用意したベスと腕組みをしているテラの姿がありました。
ザクロ茶は父親の血圧を下げるためだとこれから起きることに頭を抱えているテラの耳にある声が聞こえました。
「急ぎ過ぎじゃないですか?」
声のするほうにはきっちりと制服を身に纏ったバーナードが重たそうな書類を抱えてそこにいました。
たしかに急ぎすぎかもしれないですが、攻撃は同時多発的に行った方がダメージは大きくなります。
それだけ反応もまた大きくなることが予測されます。
「覚悟を決めなさい」
そういうテラにバーナードは深い溜息を吐きました。
「バーナード、それどこで聞いたの」
「その太った令嬢の発言が認められたと噂になってるんですよ」
2次面接も、タルティンの謝罪も、最終面接で戦争が起きると言ったことまでもうすでに噂になっているようです。
このままじゃ父の怒りを買ってしまうから踏みとどまれと進言しますが、テラはこれくらいじゃ諦めません。
「私を主として仕えるのか、決めなさい」
第三書記官となったテラ。これから何をするつもりなのでしょうか?
裏工作?
その頃、帝国の木谷あるガロンドールという草原地帯をある馬の一団が猛スピードで駆け抜けていました。
「黒社会側はどうしますか?」
その中には外から顔が見えないよう外套で姿を隠したカイルの姿がありました。
今後の事を相談してくる部下にカイルは胸元からそんなことは放っておいて、まずは奴を見つける必要だろうと報告書を出します。
もう27回も死んだと言って逃げられている奴。これが28回目のチャンスです。
市内の酒場にいる。そう報告を受けたカイルは数名の部下を連れ、酒場に足を踏み入れました。
選んだのは一番奥にあるテーブル。
どうやらこの酒場はあまり治安が良くないようで、隣のテーブルからは殺す殺さないと物騒な話が聞こえてきます。
「あの海のそばの村に潜入した時はどのくらいもらったんですか?」
物騒な話をしている男の前に座る赤髪の男が話しをせがみました。
もう何度も聞かれているのか、まったく仕方ねぇなと傭兵の仕事を始めたばかりだという赤髪の男に物騒な男は得意気に話し始めます。
「まぁあんまり気持ちのいい依頼じゃなかったな」
「雇い主はソードライナーぐらいだが、恐ろしいくれぇ残忍な奴だった」
思い出すように話す物騒な男。
多少夢見が悪くなったが、手当てが45ゴールドも出たという話に赤髪の男はもっとと話しの続きを要求します。
「ありゃぁ、秋になりかけのときだ」
盗賊が出て悪さをするから捕まえに行くとだけ思っていた依頼ですが、行ってみた先にいたのは一組の家族だけ。
一瞬、怪しみましたが懸賞金が懸かっている逆賊だから襲っても問題ないと言われ、そのまま襲い掛かった。
酒が入っているせいか、大きな声で語られる話をカイルは鋭い目で外套の陰から聞き耳を立てていました。
メインディッシュの始まり
「騎士まで従えて、どういうつもりだ」
父の部屋を開けるなり、背中を向けたままの父から投げかけられた言葉にテラはすみませんと頭を下げます。
ですが、このまま部屋を出ていくことはしません。どうしても伝えたいことがあるからです。
「俺を笑うために来たんだろ!」
そんなテラの言葉が気に食わなかったのか、大声で吠えるジェイソンの頬は真っ赤に腫れあがっています。
大方父に思いっきり叩かれたのでしょう。
「お前のせいだ!」
タルティンの謝罪などさせやがってとテラに噛みつきますが、テラは相手にする気配さえありません。
「愚かさを教えるためにやったのです!」
テラが聞かないとわかれば今度は父にジェイソンは主張します。
「なぜ妾腹の息子の軍に貴族の令嬢が入るのですか?これは我が家に対する侮辱です!」
「しかもこの女は妾腹の息子に志願までしてます!あいつと手を組んで我が家に泥を塗る気なんです!」
父が黙っているのをいいことにジェイソンの口はよく動きます。
「もういい」
黙れとも言うように父に言いつけられてもジェイソンの口が止まることはありません。
もうこれからエリオス家は笑われて生きていくしかないとか、ことあるごとに噂されるからそれを止めるために動いたんだとか
言い訳を並べるジェイソンの言葉を父の怒鳴り声が遮りました。
「もういいと言っているのが聞こえないのか!」
ようやく止まったジェイソンの口にテラは一歩踏み出すと志願したことを黙っていたことを謝罪しました。
ですが、父は今回のテラの配属を悪いとは思っていないようです。それどころか、テラの考えがわからないこともないとまで言うのです。
こうなって焦るのはジェイソンです。
「九千地帯に送るなんて、冒涜ですよ!」
ですが、反して冷静なテラは合格したのだから辞退する必要はないと言い切ります。
さらに宮に属する以上、予想外の派遣も受け入れなければならず、地方の軍事的要所から始められればブランドんの助けになることができる。
そこまで言うテラの言葉の中である単語がジェイソンに引っかかりました。
ブランドン。
ですが、そんなジェイソンの様子に気が付いていない父とテラは話を進めていきます。
こんな時間にこの部屋に来たのはバーナードの契約延長の件だと伝えると父は目を見開きました。
「そんな話のために、ここに来たのか?」
侍従のことなどどうでもいいだろうと言う父ですが、この話のスタートはバーナードの解雇からです。
『そういうことか』
バーナードはこの部屋に入る前、テラの話の内容を思い出し、こっそりと溜息を吐きました。
『潰れる家門を生かしてみます』32話の感想・考察
ジェイソンに対する逆襲の始まった32話となりました。
さすがテラ、もう念入りに用意しているのがよくわかりますよね!
まずはメドックにタルティンの謝罪をさせ、次はジェイソン。攻めるところが多すぎて、終わるころにはボロボロになっている気がしますが・・・
これまで好き勝手にやってきたんだからそれでも足りないくらいです!やっちゃえ、テラ!
そして、気になるのは草原を駆け抜けていたカイルの存在です。
一体カイルは誰を追いかけているというのでしょうか?33話からも目が離せませんね!
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