教場【33話】ネタバレと感想！

風間から退職の最後通告を受け、都築は思わず聞き返します。

少なくても耳は正常だと語る風間は、都築に足りないものを指摘します。

それは警察官には欠かせない「度胸」だと言います。

ギリギリの戦いを経験出来なかった人間たちでは、第一線では使いものにはなりません。

辞めさせることが、その人の為にもなるからです。

それを聞いて胃が痛くなる都築ですが、辞めたくなければ風間を納得させるしかありません。

もし出来なければ、卒業式当日の朝一番に退校届となりました。

ギリギリの戦い。

確かにそれを経て成長した人間はいるでしょう。

しかし、元々は自らの未熟が原因だと都築は納得しきれません。

自らを追い込む方法を考えるあまり、すれ違った楠本にも気付かないほどです。

楠本は射撃試験前の卒業旅行のしおりを刷っていたようです。

自信のない表情を楠本に指摘される都築は、卒業文集のテーマを考えました。

タイトルは「未熟な先輩から一言」です。

中途半端な気持ちで警察学校の門を叩くなと書いたものの、まだまだ余白が残ります。

胃が痛くなる都築ですが、ここまできて辞めるわけにはいきません。

息苦しさから窓を開けると、風に舞う原稿用紙。

都築はそれを拾いながら、ある考えに辿り着きました。

いっそのこと間違いを犯せば、自分を追い込めるのでは？

都築は風間に原稿を提出しながら、絶対に辞める気はないと断言するのでした。

9月14日は射撃検定の日です。

宮坂に総代になることを誓う都築は、もう後には引けないと腹を括りました。

その理由は都築が書いた原稿の後半にありました。

射撃について執筆した都築は、的に命中するための自分ならではの秘訣を書き留めます。

それは金、すなわちマネーです。

弾丸は税金。

民間人からの血税を無駄にするわけにはいかないと発想していたのです。

税金を意味する「タックス」を唱えながら引き金を引くと、目標とする80%の命中率を超えるとのこと。

かくして自分は射撃検定で上級を獲得したの「だった」。

都築は原稿の文末をそう締めていたのでした。

都築に足りないものは度胸。

一度目をつけられたら、風間の義眼からは逃れることは出来ません。

確かに現場で役に立たなければ仕方ないでしょうが、相変わらず厳しい意見です。

しかし、都築の発想が面白かったのはここからです。

今まで修羅場を経験した連中は、あくまでも当事者のミスによるもの。

ミスが無いならば自分で作ってしまえと辿り着く点です。

良く言えば開き直りですが、宮坂が指摘するように胃痛は収まった感の都築。

これで上級を獲得出来なければ、単なる笑い者で終わります。

果たして有言実行となるのでしょうか？