この記事では『潰れる家門を生かしてみます』の34話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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『潰れる家門を生かしてみます』34話のネタバレ
誓い
夕暮れの真っ赤な日差しの中、目の前で跪いたバーナードに見えるよう大きな斧を両手に背筋を正して、凛とその場に立ちます。
そして、読み上げるのは騎士との誓いを示す条文。
テラが主君であり、これからすべての行為に置いてお互いの信頼を最優先すること。
この誓いは今この瞬間からテラとバーナードにおける主従関係が結ばれたことを証明し、さらにこの誓いは裏切り以外死ぬことでしか破ることができない。
そう名言をしたテラは持っていた斧を恭しく受け取るバーナードにほっと胸を撫でおろしました。
将来大将軍となるバーナードはこれでテラの家臣になりました。
あまりにも心強すぎる味方です。
過去の話
その頃、カイルは1人、訓練場で弓を引いていました。
約半年ぶりに見たあの母の最期の夢が頭から離れないのです。
なんとか振り払おうと鋭く弓を放ちますが、夢に見るほど鮮明に残っているその記憶は犯人のこともまだよく残っています。
そうして弓を引いているカイルの元に1人の兵士が報告へとやってきました。
それはカイルにとってかなり嬉しい報告でした。
あの時、最初に傭兵に募集を掛けた事務所があり、12年前にその事務所を管理していた人間がなんと首都に住んでいたのです。
その人物はもう高齢で、しかも当時は傭兵を使うことが多かったのではっきりとは覚えていませんでした。
しかし、あることを覚えていました。
それは12年前に聞いたある傭兵団の話。
その傭兵団に関する歌は世間でも知られているものですが、管理人が知っていた歌には最後にもう1番。
5番目の歌詞があったのです。
歌の内容は傭兵団が出征した5回のことを歌っていました。
歌って聞かせる兵士が最後に口にした歌詞にカイルのこめかみがピクリと動きました。
傭兵団には良心などなく、金になるならなんでもやる。
幼い私生児が家に行き、残酷にも嬲り殺すことだってためらいもなく。
歌い終えた兵士にカイルはさらなる調査を命令すると南部のリス伯爵夫妻がこちらに来たいと言っていると聞いて、その対応を命じました。
一体どうしてカイルの母が殺されなければいけなかったのでしょうか?
家族の時間
テラは自分の部屋で新聞を読んでいました。
結局軍費の追加予算は通過しなかったようですが、書いてあることは大まか記憶の通りです。
さて、これからどうしたものかと思考を巡らせるテラですが、その隣で心配そうな顔をする母の声に我に返りました。
天候も治安も悪いダーボンに行く娘を心配する母はどうやら夫人に一生娘が帰ってこないと言われたようで心配そうです。
今回の発令は1年間のもので、頑張れば半年で帰れると言っても母はその発令さえも断れないのかと言ってきます。
家族の前で辛い思いをしている娘を見た良くないという母親の親心にテラはその手をぎゅっと握ります。
皇族のそばで頑張りたいなんて嘘八百を言えば、母は渋々と引きこもりの娘がそこまでいうのならと微笑みました。
どうしても今日の朝食は家族全員で集まれという父の言葉に従い、心配そうな母と共にテラは食卓に着きました。
全員が集まったことを確認した伯爵はエリオス家が皇帝の助けとなり、帝国のためになればいいとずっと思っていたと話し始めます。
アリアを除いた全員が今回の試験に合格しました。
受験を勧めたのはただ子どもたちにやる気を出させるため、こんな結果は想像もしていませんでした。
たしかに子供たちの多くが合格したのは嬉しいことですが、エリオス家は中立を守る家門の一つ。
下手に動けば貴族たちのパワーバランスを崩すことになりかねません。
とにかく仕事に集中し、なにも大事を起こすなときつく言いつけると伯爵はテラのほうを向きます。
もうローガンが治安部にいるというのに、無理をするなと言えば、テラは思い通りにならないのもまた承知の上だと答えます。
まっすぐなテラが面白くないのか、夫人は追撃をしろと言わんばかりにクロエに話を振りますが、クロエはいつものように乗ってきません。
さらにはテラの肩を持つようなことをいうクロエに思わずその場の空気は悪くなります。
そんな空気の中、伯爵は食後にテラを呼びつけるとローガンにある指示を出しました。
それはジェイソンが持っていたエリオス騎士団の管理業務を少しずつ引き継ぐこと。
つまり、ジェイソンから徐々に権力を奪うつもりなのです。
青ざめるジェイソンを置いて、食事が終わると次々に家族は食道を出て行きますが、クロエはテラを呼び止めました。
これまで伯爵の子供として必死に努力してきた日々を一足飛びにテラが飛び越えて行ったように感じていたクロエは面接会場でのあの騒ぎを止めませんでした。
ですが、それはテラが必死に努力してきたことを知り、目を背けてしまったことを謝りたいと言います。
凛とした姿のクロエに思わず見惚れているとクロエは近くのメイドに命じてある物をテラに持たせました。
それは全国のクロエサロンのどの支店でも最上級の商品を手に入れられる権利を示す青く輝く素晴らしいブローチ。
使う機会があるとは思えませんが、せっかくならとテラはそれを大事にしまい込み、父の元に向かいました。
『潰れる家門を生かしてみます』34話の感想・考察
エリオス家が一つになり始めた34話でしたね!
まずはテラに絶対的な味方となるバーナードがついに侍従としての誓いをしましたし、
朝食の時の伯爵の姿はまるでテラの味方のようでした。
さらにはあのクロエまで、テラに謝罪をして、自分のサロンへのプレミアム招待券のようなものまで渡したのですから、
これからが楽しみですよね。
そして気になるのがもう一つ、カイルの母親を殺した犯人のことです。
少しずつ新しい段階へと移り変わり始めた物語です。これからも目が離せませんね!
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