この記事では『できるメイド様』の48話のネタバレと感想をお伝えしていきます。
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『できるメイド様』48話のネタバレ
マリへの疑い
声を掛けたオルン公爵はただの挨拶だよとにこやかにマリを送り出しましたが、その背中を見つめる目は鋭いものです。
伝染病で家族を失った騎士家門出身の孤児であり、借金のせいでクローヤン王国のメイドとして働いていたところ、戦争捕虜となり帝国のメイドとなりました。
そのマリの経歴は傍から見れば平凡なメイドに見えますが、ただのメイドにしては優れすぎています。
しかもクローヤン王国出身者にマリのことを知る者は誰もいません。
『まるでモリナ王女のようだ』
まさかなと思いながらも確信に近付くオルン公爵。
その頃、もう1人確信に近付く人物がいました。
それはヨハネフ3世、公子として東帝国に潜り込んだ人物です。
「教国の件は失敗に終わったようだな」
わざわざ東帝国に矛先を向けるためにスルタンの周囲にいる人間に貢ぎ、けしかけたというのに無駄になってしまったとヨハネフ3世は溜息を吐きました。
想定外にうまく対応されたと溜息を吐くヨハネフ3世が今回の事態のすべての黒幕だったのです。
「イーストバーン家のレイチェル令嬢はうまくやっているだろうか?」
いずれ西帝国とココ、東帝国が一つになることを考えれば、サトウキビの栽培を進めるのは悪いことじゃないと諦めたようです。
陰に隠れているヨハネフ3世の侍従はレイチェルはなかなかうまくやっていると報告します。
「モリナ王女のことは分かったか?」
侍従はその問いにまだなにもわかっていないと答えましたが、その代わりにとある情報を提供しました。
「マリというメイドについて報告させていただきます」
情報とは、なにわからなかった、ということだけです。
その報告にヨハネフ3世はまるで幽閉されていたモリナ王女のようだとひらめき、さらなるマリへの調査を命じました。
同行命令
「私が殿下の視察にお供するのですか?」
突然の執事からの命令にマリは目を見開きました。
なぜなら今回の西南部への視察は長期的なものになり、そういった長い期間の視察には皇太子妃候補の同行が原則となっています。
にも関わらず、今回の視察に連れて行くのはマリだけだというのです。
驚かないはずはありませんが、西南部への負担軽減のためだと言われてしまえばなにも返せません。
皇太子妃候補の2人を連れて行けば護衛の人数だけではなく、周囲の面倒を見るメイドまで必要になるのですから、大人数になるのは必至です。
それは皇太子自身が望んでいません。
仕方がない。
同行を承諾したマリは視察に向かう準備を済ませるとすでに外では視察に向かうための荷物が次々に護衛の騎士たちによって馬車に積み込まれていました。
その中にアルモンド子爵、そしてもう1人、見知った顔を見つけました。
「ランさん!」
前に会った時、剣術の腕が優れているなと驚いていましたが、まさか近衛兵だと思いませんでした。
それでもなかなか知らない顔の多い騎士団の中に見知った顔を見つけて、嬉しかったマリは声を弾ませて彼の名前を呼びます。
お久しぶりです!と声をかけてくるマリにランは戸惑いながら顔を背け、周囲にいる騎士たちは不思議そうな顔をします。
「まさか、ヒルデルン卿はご存じないのですか?」
そういえば言ったことが無かったかもしれないとマリのわからないところで話が進むとランの横にいた騎士が彼のことを指しました。
「殿下だ」
そうして言われた言葉にマリは思わず首を傾げますが、皇太子殿下でおられるともう一度言われて、ようやく事態を理解しました。
すまなそうに隠すつもりはなかったという皇太子ですが、マリの頭を過るのはこれまでランと過ごしてきた時間の数々。
気まずい雰囲気
ごとごとと西南部に向かう馬車の中、向かい合って座る皇太子もマリも黙りこくったまま、何も話しません。
それもそのはずです。
マリにとってはこれまでただの友人と思って接していたのですから、不快を感じさせたのかと不安を感じていました。
『本当に綺麗』
眠っているのか、目の前で静かに座っている皇太子は日差しを浴びて、より一層美しく見えます。
思わずじっと皇太子を見つめていると突然声を掛けられました。
「不便はないか?」
目を開いて、静かにそう聞いた皇太子に大丈夫ですと返すと少し安心したのか、皇太子はマリを連れてくることになった経緯を話しました。
本来であれば1人で行くつもりだった視察。ですが、それを許すギルバート伯爵夫妻ではありません。
断ることもできずに連れていくことになった。不便があればすぐに言ってほしいと言われて、マリはその心遣いに皇太子らしさを感じて今井sた。
「あの、申し訳ございませんでした」
おずおずとマリはこれまでのことを謝罪しました。
特にお祭りのときに、皇太子とは知らなかったとはいえ、無礼を働いてしまった。そうマリが頭を下げると皇太子は気にするなと言ってくれます。
ほっと先ほどよりも体から力は抜けましたが、それでも気まずさはぬぐえません。
馬車が狭く、いまにも膝がぶつかりそうなほど近くに資料を読んでいる皇太子が目の前にいるとあっては仮眠も取れません。
『仮面のこと、聞いてみようかな』
いつもその綺麗な顔を隠している仮面のことを聞いてみようか、と好奇心をマリが沸き上がらせた頃、御者の体が小さく浮きました。
馬車がぐらりと大きく揺れ、マリの体もまたふわりと浮きました。
「大丈夫か?」
突然の揺れに思いきり前に倒れ込んでしまったマリが衝撃から目を開くとそこには
「マリ?」
心配そうにのぞき込んでくる皇太子の青い透き通った瞳がそこにありました。
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『できるメイド様』48話の感想・考察
いろいろと近付いた48話となりましたね!
まずはオルン公爵とヨハネフ3世がモリナ公女とマリが同一人物だと気付き始めました。
東帝国と西帝国の重要人物である2人がこの事実に確信を得れば、大きく物語が動くことになると思いますが、どっちが先に確信を手にするのでしょうか?
それによっては物語の方向が変わりますよね。
そして、なにより近付いたのは皇太子とマリの距離です!
皇太子妃候補を伴わない長期の視察にマリは随行しています。
さっそく馬車の揺れで皇太子の中にすっぽりと収まったマリの姿は周りにちりばめられた無数の花びらによって、すごく素敵な雰囲気になっていました。
これから視察はなかなか長い時間になるでしょうから、これからの2人の進展が楽しみですね!
まだまだ物語から目が離せません!49話も楽しみです!